ローカルインタビューメディアをつくろう!

はじめに ~ 地域社会とつながる、地域に貢献する新しい手段 ~

■地域社会とのつながり不足

ここでは、「地域社会とつながるきっかけが欲しい」「地域貢献がしたい」「地域に根差しているブランディングがしたい」という方に向けて、「それならローカルインタビューメディアをつくったらどうですか?」という提案をしていきます。


もしもあなたが、


  • 勤務地が居住地から離れているため、地域で過ごす時間が限られている
  • 地元のお店にも入ってみたいが、ローカル色が強くて入りにくい
  • 自分の時間の都合に合わせて、地域貢献がしたい
  • 多様な職種、年代の人と関わって刺激を受けたい
  • 人生100年時代に備えて、地域の仲間が欲しい
  • 地域の良さを全国に伝えたい
  • 地方創生の実践経験が欲しい


こんな悩みや欲求を抱えているならば、ローカルインタビューメディアをつくりましょう。


■新しい地域貢献活動の手段

私はローカルインタビューメディアをつくるまでは、地域社会とのつながりを感じることがあまりありませんでした。でも、「エキウミ」という茅ヶ崎のローカルインタビューメディアをつくることで、状況が変わりました。



といったことが実現できています。または、私と立場が違うパターンで言えば、地場の不動産会社さんや建築・設計会社さんなどがローカルインタビューメディアを運用することで、「地域に根差している」というブランディングも可能です。ともかく、この活動が全国に広がり、私と同じく「やって良かった!」と思える方が増えることを願っています。


もしあなたがこれを読んで、「自分もやってみよう!」と思ったら、ぜひご連絡ください。また、あなたのお知り合いで興味がありそうな方がいましたら、ぜひご共有いただければ幸いです。


※全体感だけつかみたい方は、小タイトルと太字だけ拾ってお読みいただければサッと読めます。

ローカルインタビューメディアとは?

■地域×インタビュー×メディア

ローカルインタビューメディアを一言で言うと、「地域にゆかりのある人をインタビューして、記事にするメディア」です。地域にゆかりのある人とは、その地域で住んでいる人はもちろんのこと、働いている人、貢献している人、地域の名物・名産にかかわる人などさまざまです。ローカルインタビューメディアでは、そういう方々にインタビューをして、その人の仕事や地域活動の内容、それに至る経緯や生い立ち、今後の展望や夢などを伺い、記事にして発信します。


■人が軸のローカルメディア

なぜ「ローカルメディア」ではなくわざわざ「ローカルインタビューメディア」と名乗るかというと、


  • インタビューをする「人」を軸にすることで、その人を応援する人がメディアに対して親近感を持ってくれる
  • インタビューをする「人」を軸にすることで、その人の深いところまで質問ができる(店や会社の応援ではなく、その人自身の応援をする)
  • 記事の形式がインタビュー形式(会話形式)だと、口語体でテンポの良い記事に仕上がるため、幅広い属性に受け入れられやすい
  • 記事の形式がインタビュー形式(会話形式)だと、人の体温や息づかいが感じられるため、ローカルな空気感とマッチする


といった理由があげられます。やはりローカルインタビューメディアをつくる理由は、「地域貢献」に加え「地域との個人的なつながり」もありますので、「人」が軸になるという点についてはこだわりたいところです。


↓会話形式の記事にすることで人柄が表現しやすくなる

茅ヶ崎のローカルインタビューメディア「エキウミ」

■「エキウミ」が生まれた経緯

ローカルインタビューメディアの概論はこれまで書いた通りなのですが、では私が運営する「エキウミ:茅ヶ崎のローカルインタビューメディア」はその他にどんなことに気をつけているのか、を書きます。それを説明するうえで、そもそも「エキウミ」がどのように生まれたのかを伝える必要があります。


■地域の有志団体が母体

2017年、茅ヶ崎の雄三通りというメイン通りを活性化させるために「雄三通りスマイルプロジェクト(以下、YSP)」という有志団体が結成されました。構成員としては、雄三通りで魚屋さんを営む浅見さんを会長とし、雄三通りの商店会長やその加盟店、青年会議所メンバー、商工会議所メンバーなどが中心です。地域活動の団体は高齢者が多いと思われがちですが、YSPについては40代が中心メンバーなので勢いがあります。


■地域ボランティアの開始

発足してから数回目の打合せに、私は一市民として参加をさせていただきました。たまたまYSP参加者の一人が妻のママ友で、「インターネットを知ってる人」という理由で私が呼ばれたのです。この「インターネットを知ってる人」というざっくり感が物語っているように、YSPにはWebリテラシーの高い人がいませんでした。そして「YSPの情報発信を、インスタとかでできない?」というYSPの皆さんからの質問から、「じゃあ考えてきます」ということで、私のボランティア活動が始まったのでした。


↓茅ヶ崎の雄三通り(神奈川県道310号)の場所


■コンセプトメイキング

YSPはまだコンセプトも曖昧な状態でしたので、そこから自分の中で腹落ちできるまで軸を定める必要がありました。雄三通りは茅ヶ崎駅南口のメイン通りで、人通りも多く賑わっています。ただその賑わいが裏目に出てしまう状況がありました。どういうことかというと、茅ヶ崎あるあるなのですが道幅が狭いため歩道がなく、車、バス、自転車、歩行者がぎりぎりすれ違いながら通っているので、安全性に課題を抱えているのです。活性化のベースには、安全安心が不可欠であろうということで、それをコンセプトの一つに据えることにしました。


■開かれたプロジェクトにする

雄三通りは賑わいがあると書きましたが、それは雄三通りを目当てに来ているという人もいれば、ただ駅に向かう通り道としてしか考えていない人もいます。この後者の人たちを、雄三通りそのものに注目してもらえるかどうかが重要だと考えました。ただし一方で、市民にとって「あの通りにこだわりがある!」という人が少ないことは私自身が市民感覚としてありましたので、雄三通りの情報だけに閉じてしまうと広がりが生まれないという危機意識も同時に持っていました。


■人の魅力が打開策

また茅ヶ崎の南側に特に表れる特徴のひとつが、「ローカル色」です。個人経営のお店が多いため、ローカル色が強いので、個性的で魅力的である反面、移住者や観光客にとって初めて入るには勇気がいる部分もあります。それを打開するためには、やはりそこにいる「人」にフォーカスを当てて、まだ入ったことのない方との親近感を生み出すことが必要だろうと考えました。


↓YSPとして雄三通りの安全安心を祈願したウォールアートを増やした


■メディアに定めた四つの軸

こういった考えを巡らせた結果、当初は以下の四つを軸にYSPのインターネット活用方法を考えることにしました。


  • 雄三通りの安全安心と賑わいをコンセプトとする
  • 雄三通りそのものに興味関心を持ってもらう
  • 雄三通りのお店の人をしっかりと取り上げる
  • ただしそれ以外の「茅ヶ崎にゆかりのある人」にも話題を広げることで、閉じた世界にはしない


■サイト名は愛されるものに

そして、雄三通りの特徴である「茅ヶ崎駅(エキ)から海(ウミ)まで最短距離」というところから着想を得て、サイト名を「エキウミ」としました。「雄三通りスマイルプロジェクト」という名前をサイト名に採用するとちょっとアレだなー…と思っていたので、「エキウミ」という名称が採用されてよかったです。


エキウミのロゴは茅ヶ崎のキャラクターデザイナーRYU AMBEさんにお願いした


■雄三通りを特別なものに

そしてこの四つの軸に従って、雄三通りにお店を出している人と、茅ヶ崎にゆかりのある人にインタビューをはじめました。インタビューの質問に必ず加えているのが、「雄三通りをより良くするためのアイディアを教えてください」というものです。この質問をすることで、相手が雄三通りのことを深く考える機会となり、これまでよりも雄三通りのことを特別視してもらえるようになります。


■「応援されている人」を選ぶ

エキウミ」は人から人へと紹介で繋ぎながらインタビュー記事を続々配信しています。やっていてつくづく感じるのは、どんな人の物語であっても必ずそれに興味を持つ人はいる、ということです。ですから、私は相手が有名かどうかでインタビュー相手を選ぶことはほとんどありません。選ぶ基準を強いてあげるとすれば、「人から応援されているかどうか」の方が、ローカルインタビューメディアとしてよほど大切にすべき部分なのではと考えています。


■あなたらしさも大切

以上が、「エキウミ」立ち上げの経緯と、それに伴うコンセプトメイキング、そして四つの軸の話です。「エキウミ」はYSPという母体について考え抜き、その課題解決をするという形でもって茅ヶ崎らしいローカルインタビューメディアになれています。あなたが自分の住む地域でローカルインタビューメディアをつくるときは、どんな背景を持たせるのかに気を配ると、「その地域らしい」&「あなたらしい」仕上がりになるはずです。

まず用意するもの

■一台のスマホがあればできる

さて、前置きが長くなりましたが、ここからいよいよローカルインタビューメディアのつくり方について書いていきます。最低限用意が必要なものは、スマホのみです。文字入力はPCの方が早いという方はPCを別途用意したり、写真にこだわりたい方はデジタル一眼レフなどを別途用意してください。


■Ameba Ownd

それでは早速、Webサイトをつくりましょう。つくり方はたくさんありますが、ここではとにかく誰でもすぐにできる方法として「Ameba Ownd」というサービスをおすすめします。Ameba Owndはそれこそスマホが操作できれば1時間もかからずWebサイトがつくれます。ほかにもWordPressやFC2などメジャーなサービスがありますので、比較してみるのも良いでしょう。ちなみに、私が管理している「エキウミ」や、このブログもAmeba Owndを利用させていただいています。


■走りながら考える

Webサイトのつくり方については、まずターゲットを定めてコンセプトを決めてデザインパターンはこうでアレはコレでソレはアレで・・・といろいろ考えた方が良いことが多いのでしょうが、慣れていない方は「走りながら考える」が良いのではと思います。「へたで良い、ふまじめで良い」の精神で進んじゃいましょう。


↓Ameba Ownd


■SNSアカウントを開設

Webサイトが準備できたら、次はSNSアカウントを用意しましょう。Twitter, Facebook, Instagramあたりが主要どころなので、そこから考えはじめるのが良いでしょう。Twitterは拡散性と幅広い年代層、Facebookは社会性と30代以上が多い、Instagramは視覚的と20~40代女性が多い、といった特徴があります。他にもLINEやYouTubeなどさまざまな発信方法があります。


■これも走りながら考える

それぞれで戦略を考えてTwitterはアレでFacebookはソレでInstagramはコレで使い分けよう…というのが正しい姿だとは思いますが、こちらもWebサイトと同じで「走りながら考える」の精神でまずは進んじゃいましょう。と、書きながらちょっと乱暴な気もしてきましたので、進めるときのコツをお伝えしたいと思います。


■悩んだら・・・?①

一つ目のコツは、「悩んだら検索すべし!」です。「Webサイトをつくるときにまず何から考えたらよいのかな?」と思ったら、「ホームページ 作り方」で検索をして、初心者向けにわかりやすく書かれているサイトや、YouTube動画などを見てみましょう。「どのSNSが良いのかな?」と思ったら、「SNS 比較」で検索をすれば解説をしているサイトがあります。壁にぶつかるたびに、検索、検索、とにかく検索をするクセをつけるとスムーズに進められることでしょう。


■悩んだら・・・?②

二つ目のコツは、「悩んだらマネをすべし!」です。ローカルインタビューメディアをつくる上で、参考になるサイトはたくさんあります。例えばあなたが福岡に住んでいるならば、「福岡 ローカルメディア」で検索をしてみてください。自分がやりたいと思っている方向性のサイトがあったら、どんなデザインなのか?どんなコンテンツが用意されているのか?写真や文章のテイストはどんな感じか?など参考にしましょう。「インタビュー メディア」で検索をしてみるのも良いかも知れません。もし良ければ私が管理している「エキウミ」も見てみてくださいね。

インタビュー相手の見つけ方

■最初に選びたい人

WebサイトやSNSを準備するのと同時並行で、コンテンツの準備もはじめていきます。どんな人の記事が出るのかは、ローカルインタビューメディアとしては肝の部分なので、インタビュー相手の見つけ方はとても大切です。特に最初の数名によってつくられる印象は後に引く部分がありますので、できるだけ「応援されている人」に出ていただくのがおすすめです。それはSNSのフォロワーが多いとか、全国的に有名かどうかという観点ではなく、「地域に貢献していて顔が広い人」や、「夢に向かって頑張っている人」にすると良いでしょう。


■出演者=メディア

「応援されている人」のインタビュー記事が数本出ることで、読者からはそれを載せているローカルインタビューメディアに対しても応援したくなる気持ちが生まれます。さらには、その後のインタビュー相手を探すときにスムーズになります。インタビューの依頼をするときに、「ああ、あの人が出ていたやつね」といった感じで話が早いのです。


■紹介の好循環をつくる

その流れができたら、あとは数珠つなぎで紹介の連鎖が生まれるので、人探しに苦労はあまりしません。面白い人は、面白い人とつながっているものですから、最初は思いもよらなかった人に出会えることがどんどん起きます。私の経験上、地域の商店会や自治会に属する方や、市役所で働いている方にお話を聞くと、グッと地域とのつながりが感じられるのでおすすめです。


■短期的な損得を考えない

また広がりという意味では、青年会議所や商工会議所に属する方、またはSNSでフォロワーが多い市民に出ていただくと、ぶわっと拡散されるので、また別の展開が生まれてワクワクします。ただ気をつけた方が良いのは、「この人に出てもらえればプロモーション的にウハウハだな」みたいな下心は持たない方が良いです。自分がなぜローカルインタビューメディアを始めたのか?ということを常に自問自答しながら、目的を見失わないようにしましょう。

アポの取り方

■まずなによりも「紹介」

アポの取り方にはさまざまな方法がありますが、基本的には「紹介」を第一に考えましょう。インタビューをする相手はまだ一度も会ったことのない人の場合が多くなります。その場合、自分と相手との信頼関係はほぼゼロからスタートすることになりますが、紹介からはじめることで、紹介者の信用をお借りすることができます。インタビュー自体をスムーズに進めるためにも、紹介から始めることを強くおすすめします。


■具体的なアポの取り方

具体的なアポの取り方としては、以下について伝えましょう。


  • 自己紹介
  • ローカルインタビューメディアの目的や存在意義
  • インタビューをお願いする理由
  • 想定している質問概要
  • 所要時間
  • 日時と場所の候補
  • 注意事項


これらのことを伝えたり決めたりするのを、誠実にやれば問題は起きません。ちなみに「エキウミ」の場合は、所要時間を60分程度、場所は茅ヶ崎市内のカフェか相手の仕事場、注意事項としては「録音しますよ、撮影しますよ、報酬はないですよ」といった内容にしています。使用するツールは、Facebook Messengerが一番多く、次いで電話・メールが多いです。


ちなみに紹介以外の手段として、相手のSNSにメッセージを送ったり、コーポレートサイトから問い合わせをしてみたりもできますが、基本的に伝える内容は同じです。

インタビューの準備

■インターネット情報がメイン

インタビューの事前準備については、最低限インターネットで見れる情報は見ておきます。


  • インタビュー相手のSNS
  • インタビュー相手が登場しているWeb記事
  • インタビュー相手の所属団体のサイト


事前に収集した情報の中で、特に気になった部分があれば、インタビュー中に詳しく聞いたりもします。ただ詳しく情報を集めすぎてしまうと、インタビュー中に素直なリアクションが取りづらくなることもあるので、そのバランスはやっていきながらつかんでいくと良いでしょう。


■タイプに合わせて準備する

もしもインタビュー相手が、「事前準備をちゃんとしてきた」ということに感動してくれそうな方だとわかっている場合は、印刷してインタビュー当日に持っていくことも有効です。紹介者のコメントやアポを取るときのやりとりから、相手がどういうことで喜ぶタイプなのかを想像しながら準備をするように心がけると良いです。

インタビューの仕方

■まっすぐ感謝を伝える

インタビュー相手と会ったらまずは時間をいただくこと、そしてインタビューに応じていただくことへの感謝を伝えます。はじめるときには「録音させていただきます」と一言伝えてから目の前で録音を開始しましょう。こっそり録音をするようなことは信用を失いますので、やめた方が良いです。


■タイプ別コミュニケーション

インタビューの仕方については、相手のタイプに応じて話をすることが大切です。相手がよく話してくれるタイプであれば、こちらはそれを邪魔しないように相槌をうち、時間内に聞きたいことが聞けるよう方向修正をすることに注力します。話の脱線はむしろ歓迎すべきことなので、無理やり止めるようなことはしない方がよいのですが、インタビュー記事をつくる上で必要なことは忘れずに聞くように注意が必要です。


逆にまったく話してくれないタイプに対しては、沈黙の時間が必要なタイプか、必要でないタイプかで対応が変わります。沈黙が必要ないタイプの方であれば、こちらの話なんかも話ながらだんだんと話してくれるように促せば良いでしょう。一方で沈黙が必要なタイプというのもありますので、こういう人に対しては沈黙を邪魔してはいけません。一生懸命考えてくれているときに横やりを入れてしまうと不愉快に感じる人もいるからです。


このように私の場合は、空気を読みまくることに徹することでインタビューを行っていますが、それが唯一解ではないので好きなようにやったら良いでしょう。自分のタイプと、相手のタイプとを掛け合わせたやり方が最適なのだと思います。

インタビュー後の流れ

■写真撮影のコツ

インタビューを終えたら、写真撮影をさせてもらいます。もしインタビューを二人以上でできるのであれば、どちらかがインタビュー中の自然な表情を撮らせてもらうと良いでしょう。また写真は背景を変えて数枚撮ると、記事にしたときにメリハリが出るのでおすすめです。もちろん最後に感謝を伝えることを忘れないようにしましょう。


■過去の写真提供を頼む

もしインタビューで過去の話も伺えた時は、当時の写真を用意してもらえると記事に厚みが出ますので、画像データの提供をお願いできそうであればお願いをします。子どもの頃の写真は実家にあるので…ということをよく言われますが、そこで諦めるのではなく「もしできればで結構ですので、親御さんに聞いてみていただけますか」ぐらいのやんわりお願いぐらいは許されると思います。


■チャンスタイムを捨てない

注意点として、インタビューを終了してからお別れまでの間の時間に気を抜かないようにしましょう。インタビューが終わったらさっさと支度して別れるような態度をとってしまうと、その後のやりとりに支障が出ますし、なにより失礼です。インタビューを終えてお互いに緊張が取れたタイミングは、ぽろっと面白い話が聞けるチャンスタイムでもありますので、そこでの会話を楽しみましょう。


↓昔の写真があると親近感を持ちやすくなる

文字起こしの方法

■自分流の文字起こし

記事を書くときにまずすることは、文字起こしです。文字起こしの仕方は人によってやりやすい方法が違いますが、私は録音データの再生速度が変えられるアプリを使って0.8倍速ぐらいで聞きながらPCで打ち込むタイプです。その他にも、録音データを聞きながら自分の言葉で音声入力をするという人もいるようです。


■ニュアンスを大切にする

文字起こしで気をつけることは、できるだけ言葉尻のニュアンスまで再現することが大切です。せっかく会話形式の記事にするので、その言葉尻まで表現できることを活かしたいところです。ただ本当にまるっとそのまま文字にしたら「品がない」ように見えてしまうことがあるので、そこは調整をしましょう。


■一人称の選び方

同じく一人称についても、記事にしたときに何が適切かは本人とすり合わせが必要です。会話では「ぼく」だった人でも、記事で文字にするときは「私」にして欲しいという人もいれば、逆に「ぼく」じゃなと自分じゃないみたいだという人もいたりします。


参考までに、文字起こしにかかる時間は、音声時間の1.2~1.5倍ぐらいのイメージです。

インタビュー記事の書き方

■またまた走りながら考える

文字起こしが完了したら、実際に記事っぽくなるように編集をしていきます。「エキウミ」の場合は、2~3話に分けてつくることが多いです。編集の具体的なテクニック論については専門的な話になってしまうので私が語れるものでは到底ないのですが、ここでもお得意の言葉を書いておきます。走りながら考えましょう(笑)


■最低限押さえておきたいこと

一応、私が素人なりに心がけていることを書きますと、


  • 現在(何してる人?)→過去(どんな背景がある?)→未来(何がしたい?)の順番で構成する
  • 流れから外れるところはばっさり削除するか、挿入画像のキャプションで補足的に入れる
  • ワンセンテンスを短くする(長くなるようなら、「。」で区切って文を分けちゃう)
  • 文末の重複を避ける(~~です。~~です。~~です。みたいにしない)
  • 漢字を使いすぎない(人のタイプにもよる。教授みたいな人なら漢字が多くても良いかも)


こんなところです。とにかく文章を書くことに対して苦手意識が強いからうまくなりたい!という方は、「文章 書き方」などで検索してみてください。


■写真加工のコツ

また撮影画像については、アプリで補正をすると良いです。大抵の写真は暗かったり、彩度が低かったりするので、「明るさ」「彩度」を調整するとより良くなることが多いです。また「コントラスト」を抑えめにするとおしゃれっぽさが出せます。


■校閲と事前確認の有無

記事ができたら、最低でも2回は最初から最後まで読み直して誤字脱字や構成に無理がないかを確認して、インタビュー相手に確認をしてもらいます。インタビュー相手に事前確認はさせない、というポリシーのメディアは多いですが、私はお互い納得のいく形でリリースをしたいので、事前に確認をしてもらっています。


■修正はできるだけ減らす

インタビュー相手への相談については、大抵はちょっとした修正で収まるのですが、そうでない方も時々いらっしゃいます。「あの時はしゃべりすぎてしまった」という理由で、半分以上変えてくる方もいました。もちろんこちらも載せるべきではないと判断したものについては事前に載せないようにしていますが、その基準が違ってしまうと大量修正(というかもはやまったく別の文章)が発生してしまいますので、そこは間違えないように注意が必要です。


■どこまで修正希望に応じるか?

ここで問題になるのが、「どこまで修正に応じるのか?」ということですが、私のスタンスとしては極力受け入れる派です。自分が書いたものの方が良いと思っても、それが唯一解ではないからです。あまりにも納得がいかないときは悶々とはしますけれども(笑)ただ、これからローカルインタビューメディアをはじめようと思っている方の中には「自分が納得のいく仕上がりじゃないと表には出せない!」という職人気質の方もいらっしゃると思うので、そういう方は存分に意見を戦わせたら良いと思います。


↓各記事の最後にはSNSへの誘導や、次の記事への導線を用意する

記事の発信方法

■無料で多く見てもらうには

せっかくつくった記事ですから、たくさんの人に見てもらいたいですよね。広告費があれば話が早いのですが、ない人の方が多いと思います。発信方法については、以下三つのことを考えると良いでしょう。


■SEO(検索エンジン対策)

一つ目は、SEOです。サイト自体の対策と、記事の対策の二点を考えると分かりやすいと思います。まずサイトについては、titleやdescriptionに目的のキーワードを含めること、またGoogle Search Consoleへの登録やAMP対応、SSL対応、そして良質なサイトからの外部リンク獲得、といったことを地道にコツコツやっていきましょう。もしいま書いたことがわからない方は、焦らず一つひとつ検索してみてください。また記事の対策については、タイトルのつけ方が重要です。インタビュー記事なので、インタビュー相手の所属や名前、本文中の引きがありそうなワードなどを入れると良いでしょう。


■SNS対策

二つ目は、SNSです。インタビュー相手が有名人でなくとも、その周りにはインタビュー相手のことを知りたいと思っている人がいます。そういう人にしっかりと情報を届けることで、そこからの拡散や読者獲得を狙いましょう。具体的には、SNS投稿時にインタビュー相手のアカウントを紐づけたり、インタビュー相手に記事の拡散を直接お願いすると良いです。遠くの世界の有名人の話題よりも、近くの友達の何気ない投稿の方が影響力を持つ時代になってきていますので、SNSの発信は今の時代に不可欠でしょう。ちなみに、SNSで拡散されることがSEOにも好影響を与えます。


■リアルメディア

三つめは、紙媒体の活用です。ポスターやチラシを用意して、商店街に貼ってもらったり、市役所に相談をしてみたり、何かできることがないかを考えてみましょう。「エキウミ」は雄三通りを拠点としているので、雄三通りの商店会加盟店にポスターを貼っていただきました。インタビューをした方の顔を載せているので、会話のきっかけになっているようです。


■Facebookを重視した理由①

ここには三つを並列で書きましたが、私が最も重視しているのはSNSのFacebookでした。その理由は、雄三通りを拠点としているからです。SEOの観点から見たときに「雄三通り」と検索する人はまずいませんし、中には有名なお店もありますから、その店名などで獲得することもできなくはないのですが、そうすると検索キーワードを奪うことになってしまいます。商売の邪魔をしてしまっては本末転倒なので、やはりここはSNSに頼るのがベストでした。


■Facebookを重視した理由②

SNSの中でもFacebookは、比較的お店の方々が既に利用していて、それぞれの友だち・フォロワーを合算すれば数千はいきそうでしたし、しかもその中身は茅ヶ崎の人が多いので、好都合でした。Facebookは投稿者のステータスが上がる内容がサービス特性上適していますので、インタビュー記事との相性も良いです。以上の理由から、Facebookの投稿は特に意識して進めていきました。

その後の展開①

■まずはインタビュー記事から

YSPは雄三通りの発展を目的に結成されたものの、なかなか目に見えたアウトプットが出せずにいました。ですから、「エキウミ」はYSPのアウトプットを待っていても発信できることがないので、インタビュー記事をつくりはじめました。「エキウミ」に一定の読者が付けば、いつかYSPのアウトプットが出たときに告知をすることができるからです。


■OZマガジンで紹介される

YSPの発足から半年以上が経った頃に、「安全安心」のコンセプトに沿った形で雄三通りに交通安全ウォールアートを描くことになりました。交通安全を直接的に伝えるのではなく、茅ヶ崎らしいデザインで、茅ヶ崎らしい伝え方をしようと考えたのです。そしてこれは、OZマガジンに紹介されるという形で大成功を収めることになります。他にもタウンニュース茅ヶ崎版や、朝日新聞 湘南版、LIVING湘南などで活動は取り上げていただき、それはメンバーのモチベーションアップにつながりました。


■企画を立てる楽しみ

「エキウミ」では、インタビューの他にもさまざまな企画を立ててきました。例えば「ヨコムキノネコ ヨコムキノイヌ」という企画では、「エキウミ」のロゴキャラクターにちなんで愛犬・愛猫の横向き写真を募集しました。この企画の狙いは、イヌネコのSNS拡散力に期待したことと、「エキウミ」のロゴキャラクター認知です。YSPメンバーの協力をいただきながらすすめたこの企画には、結果的に数百もの写真が集まり、さらに投票で選ばれた大賞の作品がインフルエンサーだったことから多くの方に見ていただけました。企画を立てて、準備して、実行して、結果が出るということの喜びをかみしめることができました。


↓OZマガジン「湘南特集」の掲載記事

その後の展開②

■ご相談をいただくようになる

ローカルインタビューメディアをつくる一連の流れについては説明したので、ここではその後の展開について書きます。ローカルインタビューメディアをつくっていると、自然と地域で活動をしている方々と知り合いになることから、何かしらの相談をいただくようになります。例えば、私は商店会の会長さんから「商店会のホームページを作って欲しい」と言われるようなことです。


■お金を受け取らない理由

ここまでお金のことについてはあまり触れてきませんでしたが、エキウミ」は完全無償のボランティアで運営をしています。試行錯誤をしながらそれなりの時間をかけてきたので、運営母体であるYSPの皆さんからは「ここまでやってくれているんだから、お金を払わせてほしい」と何度も言われました。それでも毎回お断りしてきた理由はシンプルで、それ以上に得られるものがあるからです。地域社会とのつながりや、実践的なマーケティング経験、あとはインタビューを通じて知り合えた方のお店に行くとたまにオマケがもらえたりします(笑)


■地域における発展

もくもくとやっていくうちに、「無償ではこちらの気が済まない」ということを言ってくれる方が現れたりします。私の場合は、それが商店会の会長さんでした。「有償でホームページを作って欲しい」というご依頼をいただき、こちらも無償を申し出ましたが、これ以上お断りするのも野暮という感じになってきたため、そちらは有償でつくらせていただきました。これは一例ですが、それ以外にも活動を通じて知り合ってから仲良くさせていただいている魚屋さんから「茅ヶ崎のしらすについて相談したい」という話があったりもします。


■仕事における発展

また仕事にも良い影響があります。地域の活動をしている人ということが同僚に伝わることで、いままで関わりのなかった部署の方と絡む機会が増えます。時に「湘南」や「地方創生」関係で広がりが生まれたり、茅ヶ崎なので「サザン」関係で広がりが生まれることもありました(笑)ローカルインタビューメディアを運営していなければ知り合えなかったであろう方々と、仕事においてもつながりが生まれるようになったのです。


商店会の公式サイト。絶賛、試行錯誤中です。

おわりに ~ ローカルインタビューメディアをつくろう! ~

■なに者でもない私でもできた

以上でローカルインタビューメディアのつくり方についての話を一区切りとしますが、ここに書いてあることは完全に自己流です。だれに教わるわけでもなく、壁にぶつかっては検索したり本を読んだり人に頼ったりしながらここまでやってきました。ですので、同じローカルインタビューメディアをつくる方がいたときに、まったく真逆のやり方で成功している人もいるかも知れません。


私はWebディレクターではありません。Webデザイナーでも、SEOの専門家でも、インタビュアーでも、カメラマンでも、編集者でも、ライターでもありません。それでも、なんとか形にはなっています。「へたで良い、ふまじめで良い」という気持ちで何とか続けてきました。


■あなたもはじめませんか

振り返ってみると本当にいろいろな方から刺激をいただきました。エキウミ見てるよ」「エキウミのおかげでお客さんが来たよ」「エキウミを見た人から声をかけられたよ」という言葉をもらうと、本当にうれしい気持ちになります。「やって良かった!」と思います。


「きっと私と同じように感じてくれる人が世界のどこかにいるのでは」と思い、この文を書きました。全国にローカルインタビューメディア仲間が生まれる瞬間を、楽しみにしています。ローカルインタビューメディアが新たに生まれた地域は、きっといまよりも少しだけ良い地域になると確信しています。


ざざざーっと書いたので具体的なエピソードをもっと肉付けしていきたいと思っています。ぜひまた訪れてくださいませ。また、「よし、自分も地元でローカルインタビューメディアをつくるぞ!」と思った方、ぜひご連絡ください。一緒に盛り上げていきましょう!もしくは、あなたのお知り合いの方で、ローカルインタビューメディアをつくることに興味がありそうな方がいましたら、ぜひシェアをお願いします。また、他にもこんなことが聞きたい、こんなときどうしたか?などの質問がありましたら、ぜひお問合せください。できるだけここに盛り込んでいきたいと思います。それでは!


茅ヶ崎のまさと|小野寺将人

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↓ローカルインタビューメディアをつくる内発的動機づけ